細菌
【腸内細菌科細菌菌血症の治療は、経過良好であれば5日目までに内服スイッチ可能かもしれない】 腸内細菌科細菌菌血症早期経口スイッチ。多施設共同研究。後ろ向き観察研究。腸内細菌科細菌菌血症(Source control良好、day 1から効果ある抗菌薬、day 5まで…
【Stenotrophomonas maltophilia肺炎の治療は単剤が基本】 後ろ向き観察研究。 対象者:S. maltophilia pneumonia who received at least 48 h of effective therapy(血液培養陽性例はわずかのみ)。 効果のある抗菌薬投与開始後7日時点での臨床的反応率を…
【腸チフス結合型ワクチンの効果を検討】 RCT、第3相試験。ネパール。 TCV vs MenA(Conctrol)。1回接種(筋注)。 6か月から16歳。 Primary outcome:血液培養で確定診断した腸チフス:81.6%↓ 副反応少ない、約1年のf/u期間。 Phase 3 Efficacy Analysis o…
「shorter is better」 抗菌薬の投与期間は、1週間が7日(ローマ帝国のConstantineが決めた)のため、7日または14日と歴史的に設定されてきた。過去25年に行われてきた抗菌薬投与期間のRCTでは、7の倍数は採用されず、より短い期間で、同等の効果が得られる…
直腸のクラミジア感染症の治療は、アジスロマイシン1g単回投与より、ドキシサイクリン1回100mg 1日2回 7日間のほうが効果が高い(95.5% vs 78.5%)ことを示した前向きコホート研究。 試験デザインはややわかりにくいがFigure 1とFigure 2を参照。性器クラミ…
肝硬変患者の血流感染症に対するβラクタム系抗菌薬(PIPC/TAZとカルバペネム)の長時間/持続投与の検討。多施設前向き観察研究。経験的治療を対象としている。 PIPC/TAZは持続投与、カルバペネムは1回3-4時間投与された。通常投与群は1回30分で投与。長時間/…
Streptococcus-like bacteria(Abiotrophia, Aerococcus, Gemella, Granulicatella)による菌血症の疫学とIEのリスクを検討した後ろ向き観察研究。568例の菌血症のうち、32例(5.6%)がIEであった。各属別の菌血症のうちIEの割合は、Abiotrophia 21%、Granul…
セフトロザン-タゾバクタムの多剤耐性緑膿菌による下気道感染症(主に肺炎)への効果を検討した観察研究。MIC 2を超えると治療成績が悪化。「感性」の基準はMIC≦4。MIC 2以下かつ高用量(3g 8時間おき:通常投与量の倍量)だと成績がよかった。 「S」 と判定…
【meropenem-vaborbactam(メロペネム-バボルバクタム)】 (1)基本事項 ・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌用の抗菌薬 ・一部のCRE(CPE)への効果が期待できる (2)スペクトラム ・vaborbactamは、non-beta-lactam、cyclic boronic acid(1) ・class Aと…
【ceftazidime-avibactam(セフタジジム-アビバクタム)】 (1)基本事項 ・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌と多剤耐性緑膿菌用の抗菌薬 ・複雑性尿路感染症と複雑性腹腔内感染症と院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎に適応がある (2)スペクトラム ・avibactam…
【ceftolozane-tazobactam(セフトロザン-タゾバクタム)】 (1)基本事項 ・多剤耐性緑膿菌用の抗菌薬 ・ceftolozaneは、抗緑膿菌活性のあるβラクタム系抗菌薬 ・ESBL産生菌、AmpC産生菌にも通常効果はあるが、耐性のこともある ・カルバペネマーゼ産生菌に…
【妊婦の梅毒と先天梅毒】 (1)妊婦の梅毒における垂直感染(UpToDate) T. pallidumは、胎盤に感染する。胎盤経由の胎児への感染は、妊娠第9-10週から起こりうる(それ以降であれば、どのタイミングでも感染は起こる)。先天的な感染は、妊娠週数、母体の…
テビペネム(Tebipenem pivoxil HBr)について 要点 ・テビペネム・ピボキシルに臭化水素酸塩を付加したもの(安定性などが改善) ※日本で販売されているものは、臭化水素酸塩なし ・カルバペネム系抗菌薬の内服薬 ・スペクトラムは、エルタペネムとほぼ同等…
【MRSA菌血症におけるダプトマイシンとβラクタム系抗菌薬の併用で治療成績が改善する可能性がある】 米国の2つの医療機関で行われた後ろ向きコホート研究。培養採取からダプトマイシンが5日以内に開始、かつ、72時間以上投与されたMRSA菌血症の成人を対象と…
【肝膿瘍の静注抗菌薬治療は、1週間では短すぎる】 概要:肝膿瘍(ドレナージあり)の治療を退院時点から、内服に変更した群と、点滴治療を続けた群での、再入院率(治療失敗率などの複合outcome)を比較した後ろ向き観察研究。結論は、内服治療群で再入院が…
【ESBL産生菌による菌血症の標的治療で、ST合剤とフルオロキノロンは選択肢となりうる】 概要:ESBL産生またはAmpCβラクタマーゼ産生腸内細菌科細菌(E. coliまたはK. pneumoniae)による菌血症の標的治療におけるカルバペネム以外の経口(または筋注)抗菌…
【セフタジジム/アビバクタムは、カルバペネム耐性GNR感染症に対して単剤使用可能】 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌または緑膿菌による感染症に対する、セフタジジム/アビバクタム単剤、または、他剤との併用治療、の効果を比較した研究のメタ解析。11つの…
稀な細菌に出会ったので、調べてみました。 (1)基本情報 ・Oligella uretralisは、ヒトの泌尿生殖器の常在菌である ・上気道の常在菌の可能性が指摘されている ・好気性グラム陰性球桿菌 ・もともとMoraxella属であったが、1987年にOligella属に分類された…
【S. aureus菌血症に対するPIPC/TAZは治療効果が低い可能性がある】 【内容】 MSSA菌血症の治療を、全「入院」期間piperacillin/tazobactam(PIPC/TAZ)で行うと、ナフシリン/オキサシリン/セファゾリンで治療した場合に比べて、30日死亡率が高いことを示し…
【便移植による多剤耐性菌の伝播に注意喚起】 便移植(Fecal Microbiota Transplantation)によって、多剤耐性菌による重篤な感染症が起こる潜在的リスクについて、FDAから注意喚起ありました。C. difficile感染症の治療のひとつで、標準的治療が無効の場合…
【S. aureus菌血症は、感染症科医とASTの関与によって死亡率が低下する】 【内容】S. aureus菌血症の患者に対して、感染症科コンサルテーションまたは(and/or)AST(antimicrobial stewardship team)が関わると、30日死亡率が低下(11% vs 24%)したことを…
【ペニシリン感受性S. aureus菌血症は、flucloxacillinよりペニシリンGのほうが治療成績がよい可能性がある】 【内容】オーストラリアとニュージーランドで行われた観察研究。ペニシリン感受性黄色ブドウ球菌(PSSA)による血流感染症(915例)の標的治療(d…
【小児のグラム陰性桿菌菌血症では、血液培養のフォローが必要な可能性が高い】 ※成人ではroutineの再検は不要と考えられている 【内容】 小児(中央値2歳)のグラム陰性桿菌(GNR)菌血症における血液培養再検(24時間以上の間隔で提出)の有用性を後ろ向き…
便移植は、腸管内の耐性菌のcolonizationを減らす可能性がある。 ただし、これまでの報告は、すべて小規模な研究である。 先日、便移植によって多剤耐性菌が伝播し、重症感染症を発症した報告があったことから、FDAが注意喚起していましたが、それとは逆の内…
【人工関節のある患者におけるS. aureus/β溶血性レンサ球菌/VGS菌血症の約20%で、人工関節感染が起こる】 股関節または膝関節の人工関節置換術後の患者に、菌血症が起こった場合に、どの程度人工関節感染が起こるか調査したフィンランドの観察研究。 菌血症…
【MRSA肺炎の治療で、VCM/LZDが使用できない場合は、ST合剤→CLDM→Mino】 MRSA肺炎におけるST合剤、CLDM、Doxy、Minoの治療効果についての総説。 ST合剤は比較的研究されているが、2つのRCTでは、標準治療(VCM、LZD)より劣っている可能性が示されている。観…
【E. coliなどのCTRX非感性は、必ずしもESBL産生を意味しない】 内容:E. coli, K. pneumoniae, K. oxytoca, P. mirabilisでCTRX MIC≧2 µg/mLの臨床株(カルバペネム非感株は除外)のβ-lactamase遺伝子を解析した。米国の1つの病院(Johns Hopkins Hospital…
【非複雑性S. aureus菌血症の治療において、1週間の静注抗菌薬治療後に、経口リネゾリドに変更して治療すると、治療効果は低下せず、入院期間が短縮する可能性がある】 概要:合併症low riskのS. aureus菌血症の治療において、治療開始3-9日から治療終了まで…
【MSSA菌血症の治療で、セファゾリンは黄色ブドウ球菌用ペニシリンより優れている可能性がある】 方法:MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)感染症(主にMSSA菌血症)におけるセファゾリンと黄色ブドウ球菌用ペニシリンの効果を比較したmeta解析。primar…
E. coliにセファレキシンを曝露させた状況で、形態の変化をin vitroで解析した報告。elongation→bulge formation→bulge stagnation→lysisとなることを示した。 Distinct single-cell morphological dynamics under beta-lactam antibioticsMol Cell. 2012 De…