General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

2019-08-12から1日間の記事一覧

E. coli、Klebsiella spp.、P. mirabilisにおけるCTRX非感性株は、ESBL産生株とは限らない

【E. coliなどのCTRX非感性は、必ずしもESBL産生を意味しない】 内容:E. coli, K. pneumoniae, K. oxytoca, P. mirabilisでCTRX MIC≧2 µg/mLの臨床株(カルバペネム非感株は除外)のβ-lactamase遺伝子を解析した。米国の1つの病院(Johns Hopkins Hospital…

S. aureus菌血症の治療における経口リネゾリドの役割

【非複雑性S. aureus菌血症の治療において、1週間の静注抗菌薬治療後に、経口リネゾリドに変更して治療すると、治療効果は低下せず、入院期間が短縮する可能性がある】 概要:合併症low riskのS. aureus菌血症の治療において、治療開始3-9日から治療終了まで…

MSSA菌血症におけるセファゾリンvs黄色ブドウ球菌用ペニシリンのmeta 解析

【MSSA菌血症の治療で、セファゾリンは黄色ブドウ球菌用ペニシリンより優れている可能性がある】 方法:MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)感染症(主にMSSA菌血症)におけるセファゾリンと黄色ブドウ球菌用ペニシリンの効果を比較したmeta解析。primar…

βラクタム系抗菌薬で治療中の腸内細菌科細菌の形態<補足>

E. coliにセファレキシンを曝露させた状況で、形態の変化をin vitroで解析した報告。elongation→bulge formation→bulge stagnation→lysisとなることを示した。 Distinct single-cell morphological dynamics under beta-lactam antibioticsMol Cell. 2012 De…

βラクタム系抗菌薬で治療中の腸内細菌科細菌の形態

K. pneumoniaeによる持続菌血症(骨髄炎)をertapenemで治療中に採取した血液培養のグラム染色像。K. pneumoniaeだが、中央部が膨らんだグラム陽性桿菌に見える。 Morphological changes induced by β-lactam antibiotics observed on Gram stainingClin Mic…