General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

shorter is better

「shorter is better」 抗菌薬の投与期間は、1週間が7日(ローマ帝国のConstantineが決めた)のため、7日または14日と歴史的に設定されてきた。過去25年に行われてきた抗菌薬投与期間のRCTでは、7の倍数は採用されず、より短い期間で、同等の効果が得られる…

女性の直腸クラミジア感染症の治療はドキシサイクリンがアジスロマイシンより優れる

直腸のクラミジア感染症の治療は、アジスロマイシン1g単回投与より、ドキシサイクリン1回100mg 1日2回 7日間のほうが効果が高い(95.5% vs 78.5%)ことを示した前向きコホート研究。 試験デザインはややわかりにくいがFigure 1とFigure 2を参照。性器クラミ…

新規AML診断患者のスクリーニング胸部CTによって、10%でIPAがみつかる

新規にAMLと診断された患者全員に胸部CT(baseline CT:スクリーニングとして施行)を撮影すると、侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)が10%の可能性で見つかった、という報告。 単施設の研究、mortalityなどへのbaseline CTの影響は検討していない、などの問題…

肝硬変患者の重症血流感染症に対するβラクタム系抗菌薬の長時間/持続投与は予後を改善する

肝硬変患者の血流感染症に対するβラクタム系抗菌薬(PIPC/TAZとカルバペネム)の長時間/持続投与の検討。多施設前向き観察研究。経験的治療を対象としている。 PIPC/TAZは持続投与、カルバペネムは1回3-4時間投与された。通常投与群は1回30分で投与。長時間/…

重症ではない菌血症を伴った尿路感染症は初期治療が外れていても予後は悪化しない

重症ではない菌血症を伴った尿路感染症(30日mortality rateは10%程度)の治療において、初期治療が不適切であったとしても、治癒までの期間や死亡の増加はみられなかった、という後ろ向き観察研究。適切な経験的治療群と不適切な経験的治療群を比較。 複雑…

Streptococcus-like bacteriaによる菌血症の解析

Streptococcus-like bacteria(Abiotrophia, Aerococcus, Gemella, Granulicatella)による菌血症の疫学とIEのリスクを検討した後ろ向き観察研究。568例の菌血症のうち、32例(5.6%)がIEであった。各属別の菌血症のうちIEの割合は、Abiotrophia 21%、Granul…

重症sepsisまたはseptic shock患者の感染症科コンサルテーションの効果

severe sepsisまたはseptic shockを呈する救急外来(ED)の患者における、早期感染症科コンサルテーション(early ID)の効果を評価した後ろ向き観察研究。 対象は、3-hour bundleを達成後の248名のsevere sepsisまたはseptic shockの成人ED患者。early ID群…

ESBL産生菌による尿路由来の菌血症の治療におけるアミノグリコシドの検討

【ESBL産生菌による尿路由来の菌血症の治療におけるアミノグリコシドの検討】 ESBL産生腸内細菌科細菌による尿路由来の菌血症へのdefinitive therapyとしての、アミノグリコシド(ゲンタマイシンまたはアミカシンの1日1回投与)の効果を検討した後ろ向き研究…

入院を必要とする蜂窩織炎の治療期間

【入院を必要とする蜂窩織炎の治療 6日間 vs 12日間:前者で再燃が多い】 蜂窩織炎の抗菌薬投与期間を、6日 vs 12日で比較。オランダで行われた、多施設、非劣勢、無作為比較試験。対象は、入院を必要とした成人の蜂窩織炎患者(血液培養陰性、85%程度が下肢…