General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

感染性心内膜炎

Streptococcus-like bacteriaによる菌血症の解析

Streptococcus-like bacteria(Abiotrophia, Aerococcus, Gemella, Granulicatella)による菌血症の疫学とIEのリスクを検討した後ろ向き観察研究。568例の菌血症のうち、32例(5.6%)がIEであった。各属別の菌血症のうちIEの割合は、Abiotrophia 21%、Granul…

感染性心内膜炎の治療成績は、endocarditis teamによる診療支援で治療成績が向上する

【感染性心内膜炎の治療成績は、endocarditis teamによる診療支援で治療成績が向上する】 感染性心内膜炎サポートチーム(endocarditis team:ET)の効果を評価したフランスで実施された単施設の後ろ向き観察研究。ETは、毎週集合し、その施設のすべてのIE症…

Nonbacterial Thrombotic Endocarditis

NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINE Nonbacterial Thrombotic Endocarditis非細菌性血栓性心内膜炎のclinical picture。原疾患は多発転移を伴う膵臓癌。NBTEの原因としては、進行した悪性腫瘍がTOP、SLEも有名。marantic endocarditis, Libman-Sacks endocar…

E. faecalis IEの治療における、PCGとCTRXによる併用治療の可能性

Enterococcus faecalisによる感染性心内膜炎の治療として、アンピシリンとセフトリアキソンの併用治療がある。 しかし、アンピシリンは生理食塩水に溶解した場合、安定性に欠けるため、OPAT(外来での静注抗菌薬治療)では使用できない。ペニシリンGは、OPAT…

Enterococcus faecalis感染性心内膜炎の総説

要点です ・Enterococcus IEの97%は、E. faecalis・E. faecalisは、E. faeciumより高率にbiofilmを形成(90% vs 20%)・βラクタム系抗菌薬単剤は、E. faecalisに対して「殺菌的」効果がない・E. faecalis IEで、PCG or ABPC単剤治療を行うと、高率に治療失敗…