General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

かぜ

気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言について:急性気管支炎編

【「気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言」への感想第3弾】 原因微生物は、基礎疾患や合併症の有無で分けて考える必要がある、というところはよいと思います。 基礎疾患がない場合または軽微である場合、基本的に急性気管支炎に対する抗菌薬は不要であり…

気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言について:急性咽頭炎・扁桃炎編

【「気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言」への感想第2弾】 (1)急性咽頭炎・扁桃炎 疫学、診断は、「手引き」を踏襲しています。しかし、治療の項目において、根拠のない記載が目立ちます。「初回治療失敗例,重症例(とりわけ成人重症例)などいわゆ…

気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言について:急性鼻副鼻腔炎編

【「気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言」(日本感染症学会 2019.8)に対する感想】 3回に分けて感想(意見)を述べます。1回目は、主に急性鼻副鼻腔炎についてです。2回目は、急性咽頭炎・扁桃炎、3回目は、急性気管支炎の項目についてです。 注意:こ…

各国の小児への経口抗菌薬処方についての実態調査

(1)米国 急性中耳炎に対する処方が多い、ペニシリン系の処方が多い Pediatrics. 2014 Mar;133(3):375-85 doi: 10.1542/peds.2013-2903 PMID: 24488744 (2)ギリシャ マクロライド、第3世代セファロスポリンの処方が多い J Antimicrob Chemother. 2015 Aug…

熊本県における経口抗菌薬処方の実態 2012-2013

熊本県の国民健康保険または後期高齢者医療制度の受給者の2012-2013年のデータベースを使用して、経口抗菌薬の処方パターンを調査し、抗菌薬処方に関連した因子を同定するための後ろ向きコホート研究。 処方された経口抗菌薬は、第3世代セファロスポリン35%…

日本の小児に対する抗菌薬処方量の推移 2013-2016

【小児に対する抗菌薬は、多くがウイルスによる急性気道感染症に処方されている。また処方されている薬剤の大半を第3世代セファロスポリンとマクロライドが占めている】 【方法】 national health claims databaseを使用して、後ろ向きに15歳以下の小児に対…