General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

各国の小児への経口抗菌薬処方についての実態調査

(1)米国

 急性中耳炎に対する処方が多い、ペニシリン系の処方が多い

 Pediatrics. 2014 Mar;133(3):375-85

 doi: 10.1542/peds.2013-2903

 PMID: 24488744

 

(2)ギリシャ

 マクロライド、第3世代セファロスポリンの処方が多い

 J Antimicrob Chemother. 2015 Aug;70(8):2405-8

 doi: 10.1093/jac/dkv091

 PMID: 25881618

 

(3)フランス:中耳炎と気管支炎への処方が多い

 3世代セファロスポリンの処方が多いが減少傾向

 Eur J Clin Microbiol Infect Dis. 2017 Mar;36(3):509-516

 doi: 10.1007/s10096-016-2826-2

 PMID: 27812804

 

これらのdataによって、外来抗菌薬の適正使用支援の対象を明確にすることができます。そして、今後のAMR対策に、しっかりと活用していくことが重要です。というわけで、まずは「急性気道感染症」における、抗菌薬の適応とその適切な選択の周知が重要と考えられます。AMR臨床リファレンスセンターは2年程度前から、「かぜ診療ブラッシュアップコース」(成人対象ですが、考え方は小児科領域にも適応できると思います)を全国で実施しています(http://amr.ncgm.go.jp/information/)。