COVID-19診断におけるPCRの偽陰性
Variation in False-Negative Rate of Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction–Based SARS-CoV-2 Tests by Time Since Exposure. https://doi.org/10.7326/M20-1495.
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-1495
SARS-CoV-2曝露(感染)後の日別のSARS-CoV-2 PCR検査(上気道検体)の偽陰性率を評価した研究。7つの研究を解析(N=1330)。対象患者は、入院+外来患者。発症日をday 5とした場合、発症までの期間では、偽陰性は徐々に減少する(曝露後day 1:100%、day 4:67%)。day 5:38%、day 8:20%(最低値)、その後徐々に偽陰性は増加して、day 21:66%。発症4日目(曝露後8日目)がもっとも感度が高い(偽陰性が少ない)。症状発症の翌日から5日後にかけての感度が良好である。
この研究から、連続してPCR検査を行うことの有用性はわからない(各検査に独立性があれば、複数回施行することによって、感度は上昇し、偽陰性率は低下する)。偽陰性の結果と感染性の関連は不明(本当はCOVID-19患者だが、PCR検査が陰性の患者は、感染性が低い可能性はあるが、その真偽はわかっていない)。対象とした研究は、少なくとも1回のPCR検査が陽性になった症例を「真の陽性例」と定義しているため、1回も陽性となったことのないCOVID-19患者は含まれていない(これによって真の偽陰性率を過小評価するかもしれない)。また、この研究の対象は、1回のCOVID-19患者への曝露があった患者を対象としているため、継続して曝露し続ける医療従事者は含まれていない。