General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

ガイドライン・総説

COVID-19流行地域での市中肺炎診療

COVID-19流行地域での市中肺炎診療 Treatment of Community-Acquired Pneumonia During the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Pandemic. Ann Intern Med. 2020 May 7. doi: 10.7326/M20-2189. https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-2189 1. COVI…

COVID-19時代の気管支鏡検査についてのガイダンス

COVID-19時代の気管支鏡検査についてのガイダンス The Use of Bronchoscopy During the COVID-19 Pandemic. CHEST/AABIP Guideline and Expert Panel Report. Chest. 2020 May 1. pii: S0012-3692(20)30850-3. doi: 10.1016/j.chest.2020.04.036. https://jo…

COVID-19の診断ガイドライン(IDSA 2020)

COVID-19の診断ガイドライン(IDSA 2020) https://www.idsociety.org/practice-guideline/covid-19-guideline-diagnostics/ 推奨1:COVID-19の臨床的疑いが低い場合であっても、COVID-19が発生している疑いのあるcommunityの症状のある患者に対して、SARS-C…

CDCの医療現場での感染制御についてのガイダンス

CDC:Healthcare Infection Control Guidance CDCの医療現場での感染制御についてのガイダンス Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigatio…

免疫正常な高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの方針変更(ACIP 2019)

【免疫正常な高齢者へのPCV13(プレベナー)の接種の推奨取りやめ】 小児へのPCV13接種によって、小児・成人におけるPCV13カバー率の低下が著明となった。2014年以降、PCV13カバーのIPDは減少しなかった。 免疫不全者・人工内耳・髄液漏を除く65歳以上の高齢…

ATS/IDSAの成人の市中肺炎(CAP)の診断と治療ガイドライン 2019

【ATS/IDSAの成人の市中肺炎(CAP)の診断と治療ガイドライン 2019】 16の臨床的疑問に回答する形式です。以下、その回答(recommendation)を意訳したものを記載しています。 重症市中肺炎の定義は、2007年のガイドラインと同様で、major criteria(血管収…

気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言について:急性気管支炎編

【「気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言」への感想第3弾】 原因微生物は、基礎疾患や合併症の有無で分けて考える必要がある、というところはよいと思います。 基礎疾患がない場合または軽微である場合、基本的に急性気管支炎に対する抗菌薬は不要であり…

気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言について:急性鼻副鼻腔炎編

【「気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言」(日本感染症学会 2019.8)に対する感想】 3回に分けて感想(意見)を述べます。1回目は、主に急性鼻副鼻腔炎についてです。2回目は、急性咽頭炎・扁桃炎、3回目は、急性気管支炎の項目についてです。 注意:こ…

血液悪性腫瘍患者(主に造血幹細胞移植後)におけるCMV感染症の診療ガイドライン

【血液悪性腫瘍患者におけるCMV感染症診療ガイドライン2019】 (1)重要な点 ・HSCT後のCMV diseaseは臨床研究では2-3%だが、real-worldでは5-10% ・臍帯血移植の場合、CMV再活性化のriskは高く、腫瘍の再発以外での死亡率が上昇 ・HSCT後100日以内のCMV dis…

新しいバンコマイシンのTDMガイドラインの概要(public comment募集前のdraft)

先日先輩に教えていただいたバンコマイシンの新しいTDMガイドラインのドラフトの推奨部分を、意訳して、まとめてみました。 まず重要な点です ・目標とする指標は、成人・小児ともにAUC/MIC 400-600(基本的にMIC=1) ・この目標値は、年齢、腎機能、肥満の…

急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018

「急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018」は無料で読めるのですね。日本のすべての学会が、ガイドラインくらいは無料で読めるようにしてほしいと思います。日本循環器学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本緩和医療学会なども多くのガイドラインを…

ESBL産生腸内細菌科細菌による感染症の治療(CMIのNarrative review)

【ESBL産生腸内細菌科細菌による感染症の治療についての総説】 Current options for the treatment of infections due to extended-spectrum beta-lactamase-producing Enterobacteriaceae in different groups of patients(Clin Microbiol Infect. 2019;25…

HIV感染者の結核治療の総説

Management of active tuberculosis in adults with HIVLancet HIV. 2019;6(7):e463-e474doi: 10.1016/S2352-3018(19)30154-7.PMID: 31272663 重要な点 ・毎年約100万人のHIV患者が結核を発症している(全結核の9%を占める) ・結核は、HIV患者の主要な死因…

ESCMIDによる新生児と小児における侵襲性アスペルギルス症診療ガイドライン

ガイドラインの紹介です。内容は、読んでからのお楽しみ。 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1198743X19302824?fbclid=IwAR3mio51eDHNH5UalqX9QuAu6GaU7p6dDF4a1HfcqvgJJWdwZ6ztooaxDQU