COVID-19時代の気管支鏡検査についてのガイダンス
COVID-19時代の気管支鏡検査についてのガイダンス
The Use of Bronchoscopy During the COVID-19 Pandemic. CHEST/AABIP Guideline and Expert Panel Report. Chest. 2020 May 1. pii: S0012-3692(20)30850-3. doi: 10.1016/j.chest.2020.04.036.
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(20)30850-3/fulltext
(1)COVID-19疑い患者or確定患者ではN95マスク使用する(N95マスクは検査後破棄する)。
(2)COVID-19診断のための気道検体は、まず鼻咽頭検体の採取を優先する。重症または進行性で気管挿管が必要な状況では、COVID-19の診断または他の疾患の診断のために必要な場合、下気道検体(気道吸引物、BALF)を採取する。
(3)COVID-19が流行している地域では、無症状の患者に気管支鏡検査を施行時、サージカルマスクではなく、N95マスクを使用する(asymptomatic and pre-symptomatic transmissionが危惧されるから)。フェイスシールド・ガウン・手袋も着用する。
(4)無症状の患者の検査前にCOVID-19のための診断的検査を行う(あくまで"suggest":community transmissionのある場合→定義の記載なし)。この推奨についてのevidenceは存在しない。また、検査するかどうかは、その施設・地域での検査のavailability次第である。PCR検査陰性の場合、推奨3に従う。陽性の場合は、すべての非緊急の検査は延期する。
(5)COVID-19の流行地域であったとしても、肺癌の診断のための検査はtimelyかつ安全に行うべきである。
(6)COVID-19から回復した患者で気管支鏡検査が必要な場合、検査のタイミングは、検査の適応・COVID-19の重症度・症状改善からの期間に基づいて決定する。安全で最適な検査施行のタイミングはわかっていないが、目安として症状改善かつPCR 2回陰性確認から30日以上経過した状態での施行は理にかなっていると思われる(base-by-case)。