General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

2019-09-03から1日間の記事一覧

バリキサ錠は原則粉砕してはいけない

【バリキサ錠は原則粉砕してはいけない】 バルガンシクロビル(商品名:バリキサ、1錠450mg)は、錠剤とドライシロップがあり、経管投与や透析患者で使用する場合(透析患者へのバリキサの使用は一般的には推奨されていませんが、透析後200mg投与 週3回、で…

S. aureus菌血症に対するPIPC/TAZは治療効果が低い可能性がある

【S. aureus菌血症に対するPIPC/TAZは治療効果が低い可能性がある】 【内容】 MSSA菌血症の治療を、全「入院」期間piperacillin/tazobactam(PIPC/TAZ)で行うと、ナフシリン/オキサシリン/セファゾリンで治療した場合に比べて、30日死亡率が高いことを示し…

造血幹細胞移植レシピエントにおけるletermovirのCMV感染症に対する予防効果

【造血幹細胞移植レシピエントにおけるletermovirの効果の検討】 CMV-seropositiveの造血幹細胞移植レシピエントにおけるletermovirの死亡率への影響を検討した研究についてです。全死亡率を改善する可能性が示されたとしているが、実際には48週時点での死亡…

便移植による多剤耐性菌の伝播

【便移植による多剤耐性菌の伝播に注意喚起】 便移植(Fecal Microbiota Transplantation)によって、多剤耐性菌による重篤な感染症が起こる潜在的リスクについて、FDAから注意喚起ありました。C. difficile感染症の治療のひとつで、標準的治療が無効の場合…

HIV感染症の曝露前予防:USPSTFの推奨

USPSTFは、HIV感染へのhigh risk者に対して、TDF/FTCによる曝露前予防(preexposure prophylaxis:PrEP)を推奨した。2017年にはCDCがすでに同様の推奨を発表している。 米国は現在約110万人のHIV患者が存在している。また、2017年の新規発症者は38281人であ…

非重症市中肺炎をセフトリアキソンで治療する場合、1g 24時間おきでよい

【非重症市中肺炎をセフトリアキソンで治療する場合、1g 24時間おきでよい】 内容:市中肺炎におけるセフトリアキソンの投与量の検討。1g 24時間おきでよい可能性が高いという結論。市中肺炎の治療のRCT(CTRXとその他の薬剤の治療効果を比較したもの)を集…

ASTと感染症コンサルテーションを組み合わせるとS. aureus菌血症の予後が改善する

【S. aureus菌血症は、感染症科医とASTの関与によって死亡率が低下する】 【内容】S. aureus菌血症の患者に対して、感染症科コンサルテーションまたは(and/or)AST(antimicrobial stewardship team)が関わると、30日死亡率が低下(11% vs 24%)したことを…

ペニシリン感受性S. aureus菌血症の治療は、ペニシリンGを選択する

【ペニシリン感受性S. aureus菌血症は、flucloxacillinよりペニシリンGのほうが治療成績がよい可能性がある】 【内容】オーストラリアとニュージーランドで行われた観察研究。ペニシリン感受性黄色ブドウ球菌(PSSA)による血流感染症(915例)の標的治療(d…

小児のグラム陰性桿菌菌血症における血液培養再検の必要性

【小児のグラム陰性桿菌菌血症では、血液培養のフォローが必要な可能性が高い】 ※成人ではroutineの再検は不要と考えられている 【内容】 小児(中央値2歳)のグラム陰性桿菌(GNR)菌血症における血液培養再検(24時間以上の間隔で提出)の有用性を後ろ向き…

ピボキシル基含有抗菌薬の服用に関連した低カルニチン血症と低血糖

ピボキシル基含有抗菌薬の服用に関連した低カルニチン血症と低血糖 ピボキシル基含有抗菌薬 ・セフカペン・ピボキシル(フロモックス) ・セフジトレン・ピボキシル(メイアクト) ・セフテラム・ピボキシル(トミロン) ・テビペネム・ピボキシル(オラペネ…