ASTと感染症コンサルテーションを組み合わせるとS. aureus菌血症の予後が改善する
【S. aureus菌血症は、感染症科医とASTの関与によって死亡率が低下する】
【内容】S. aureus菌血症の患者に対して、感染症科コンサルテーションまたは（and/or）AST（antimicrobial stewardship team）が関わると、30日死亡率が低下（11% vs 24%）したことを示した後ろ向き観察研究。ASTは、ガイドラインに順じた管理と感染症科コンサルトを推奨した。
【結果】介入群（感染症科コンサルテーションまたはASTが関わった群）では、骨関節感染、IEが多く、肺炎が少なかった、また市中発症が多かった。免疫不全者は非介入群（感染症科コンサルテーションとASTの関与がどちらもない群）で多かった。両群ともMRSAは35%。介入群で、血液培養の再検、TTE施行、適切な標的抗菌薬選択、適切な治療期間が行われた割合が高かった。30日以内の死亡率（mortality；「死亡率」というのは正しい日本語ではありませんが...）は、介入群11%、非介入群24%で、統計学的有意差を認めた。下の図は、30日死亡率と関連した因子。
【解釈】観察研究、かつ、やや大ざっぱな検討だが、感染症科consultation teamとASTが協働すると、S. aureus菌血症の予後がよくなることを示された。つまり、感染症医やASTの存在意義の示した報告！ということです。全例S. aureus菌血症症例は、お手伝いするにようにしましょう！
Improved mortality in Staphylococcus aureus bacteremia with the involvement of antimicrobial stewardship team and infectious disease consultation
Infect Control Hosp Epidemiol. 2019 Aug;40(8):932-935
PMID：31196239
DOI：10.1017/ice.2019.136
