セフタジジム-アビバクタムのまとめ

【ceftazidime-avibactam（セフタジジム-アビバクタム）】

（1）基本事項

・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌と多剤耐性緑膿菌用の抗菌薬

・複雑性尿路感染症と複雑性腹腔内感染症と院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎に適応がある

（2）スペクトラム

・avibactamは、ambler class A（CTX-M ESBL、KPC）とclass C（AmpC）と一部のclass D（OXA-48）を阻害するβラクタマーゼ阻害薬（1, 2）であり、class BのMBLには無効

・Streptococcus属、ブドウ球菌属、Enterococcus属に対する効果は期待できない（3）

・Fusobacerium属などの一部の嫌気性菌に効果はあるが、Bacteroides属・Clostridium属への効果は期待できない（3）

（3）臨床データ

・複雑性尿路感染症で、ドリペネムに非劣勢（原因微生物は、耐性菌に限っていない）（4）

・複雑性腹腔内感染症で、metronidazoleと併用すると、メロペネムに非劣勢（原因微生物は、耐性菌に限っていない）（5）

・HAP/VAPで、メロペネムに非劣勢（原因微生物は、耐性菌に限っていない）（6）

・セフタジジム耐性腸内細菌科細菌または緑膿菌による複雑性尿路感染症or複雑性腹腔内感染症の治療において、メロペネムに非劣勢（7）

・CREまたはカルバペネム耐性に対する治療は、他剤との併用治療をする必要はなく、単剤でよい、とするメタ解析（すべて後ろ向き研究）がある（8）

（4）投与量

・投与量：2.5g（ceftazidine 2g + avibactam 500mg）8時間おき、1回2時間点滴

（5）コスト

・2.5g 430.57ドル→1291.71ドル→142000円/日（1ドル110円換算）

・超高額！

（6）参考文献

1. Clin Infect Dis. 2016;63(2):234-41
2. Curr Infect Dis Rep. 2019 Sep 9;21(10):39. doi: 10.1007/s11908-019-0690-9.
3. Clin Infect Dis. 2016;63(2):234-41
4. Clin Infect Dis. 2016;63(6):754-762
5. Clin Infect Dis. 2016;62(11):1380-1389
6. Lancet Infect Dis. 2018;18(3):285-295
7. Lancet Infect Dis. 2016;16(6):661-673
8. Int J Antimicrob Agents. 2019 Aug 31. doi:10.1016/j.ijantimicag.2019.08.0256;16(6):661-673