General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

2019-09-13から1日間の記事一覧

インフルエンザワクチン株 2019-2020

インフルエンザワクチン株 2019-2020 (1)WHOの推奨 21 February 2019 (updated on 21 March 2019) It is recommended that egg based quadrivalent vaccines for use in the 2019-2020 northern hemisphere influenza season contain the following: A/Bri…

ボリコナゾールによる副作用 - 特に脳症について -

ボリコナゾールによる副作用 - 特に脳症について - ★要点 ・VRCZの副作用: 肝障害、視野障害、光毒性、皮膚悪性腫瘍のリスク上昇、不整脈(QT延長) 骨膜炎、幻覚、脳症、末梢神経障害、脱毛、爪の変形、低Na血症 ・トラフ濃度が5-6 µg/mLを超えると増える…

嫌気性菌とモキシフロキサシン

嫌気性菌とモキシフロキサシン ★まとめ ・モキシフロキサシンのきちんとした臨床dataは、腹腔内感染症のみ ・Bacteroides属の耐性率は10-30%以上である ・そのため、嫌気性菌の関与する感染症での使用には不安がある ・腹腔内感染症では、ABPC/SBTやCPFX+Met…

テビペネム・ピボキシル(オラペネム)

テビペネム・ピボキシル(商品名:オラペネム) PMID:26751436 - 緑膿菌とAcinetobacterには効果がない PMID:30014729 - 最初の経口カルバペネム系抗菌薬 - 緑膿菌に効果なし Jpn J Chemother 2009;57 (S-1): 1-14 - 緑膿菌のMICは高く効果なし - ブドウ糖…

ピペラシリン/タゾバクタムとバンコマイシン併用による急性腎障害について

【PIPC/TAZとVCMを併用するとAKIが増加する】 ・ほぼすべての研究が、後ろ向き観察研究である ・RCTはない、前向き観察研究もほとんどない ・PIPC-TAZ+VCM vs VCM+その他の薬剤でmeta解析(CID2018) AKI発症率22% vs 13%→Number needed to harm:11 critica…

artemether-lumefantrine(リアメット)の吸収

【artemether-lumefantrineのbioavailabilityと食事の関係】 吸収 ・lumefantrineのbioavailabilityが問題となる ・脂質とともに摂取するとbioavailabilityが上昇する ・UpToDateには、食事摂取によって、血中濃度は、artemetherは2-3倍、 lumefantrineは16…

artemether-lumefantrine(リアメット)と非重症熱帯熱マラリア

【artemether-lumefantrineは、非流行地域からの旅行者の非重症熱帯熱マラリアでは治療失敗が多い可能性がある】 (1)効果 ・流行地域での非重症熱帯熱マラリアに対する効果:98%以上(1, 2) ・再燃は1.9%だった (2)非流行地域出身の旅行者におけるリア…