バンコマイシンによる血小板減少の既往がある場合、再投与時は高度の血小板減少に注意する
【バンコマイシンによる血小板減少の既往がある場合、再投与時は高度の血小板減少に注意する】
内容:バンコマイシンの投与によって血小板減少の既往のある患者に対するバンコマイシンの再投与で、1日で血小板が3000 /µLまで低下、輸血を必要とする消化管出血を起こした症例報告。バンコマイシンによる血小板減少の機序は完全には解明されていないが、血小板の表面にあるglycoprotein IIb/IIIaに対する薬剤依存性抗体が産生されて、血小板を破壊する機序が想定されている。典型的には、バンコマイシン開始から7-10日で出現し、薬剤中止後7日程度で回復する。
結論:バンコマイシンによる血小板減少の既往がある場合、バンコマイシンの使用は注意して行う必要がある(著者たちは、再投与を「禁忌」と主張している)。前回の血小板減少が軽度であったとしても、24時間以内(12時間以内?)に血小板が著明に低下する可能性があるため、投与翌日に必ず血算を確認する。
Rapid-Onset Vancomycin-Induced Thrombocytopenia With Reexposure
Ann Pharmacother. 2019 Jul 27:1060028019867433.
doi: 10.1177/1060028019867433
PMID: 31353923