DRCでの黄熱病outbreak時の黄熱ワクチン(20% dose)の効果
【黄熱ワクチンの20% dose接種は効果が98%:コンゴ民主共和国でのoutbreak】
背景:2016年のDRCとアンゴラでの黄熱病のoutbreakによって、世界的な黄熱ワクチン不足が起こった。そのため、標準投与量の1/5(0.1ml)に減量した黄熱ワクチンを、DPCのキンシャザで760万人で使用することとなった。この減量したワクチン接種の免疫反応を評価した研究である。
方法:対象は2歳以上。ワクチン接種前、接種1か月後、接種1年後の中和抗体価を測定。抗体価には、PRNT50を使用。陰性→10となった場合を「seroconversion」、陽性→4倍以上の上昇を「immune reponse」と定義した。
結果:接種から1か月後で、98%がsero-positiveとなった。seroconversion率は98%、immune responseは66%でみられた(baselineで31%がseropositiveだった)。1年後のf/uを行った684名中97%がseropositiveであった。
結論:黄熱病のoutbreak controlのためにワクチンが大量に必要だが在庫が不足している場合、20% doseの黄熱ワクチンでも、少なくとも1年間の予防効果は期待できる。長期成績は不明である(他の研究で、10年後もsero-positiveであることを示しているものはある)ので、再接種が必要かどうかは今後検討していく必要がある。
Immunogenicity of Fractional-Dose Vaccine during a Yellow Fever Outbreak — Final Report
N Engl J Med. 2019 Aug 1;381(5):444-454.
doi: 10.1056/NEJMoa1710430
PMID: 29443626