General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

2019-08-03から1日間の記事一覧

腸内細菌科細菌による血流感染症で早期にde-escalationするとCDIが減少する

【腸内細菌科細菌による血流感染症の治療において、抗緑膿菌活性のある抗菌薬を早期de-escalationすることによってCDIのリスクが減少する】 要旨:腸内細菌科細菌菌血症に対して48時間以上抗緑膿菌活性のあるβラクタム系抗菌薬を投与された入院患者は、48時…

PIPC/TAZとVCMの併用によるAKIは、肥満患者でリスクが高い可能性がある

【体重91kg以上の場合、PIPC/TAZ+VCMによるAKI発症リスクが高い可能性がある】 後ろ向きコホート研究。単施設。PIPC/TAZ+VCMを48時間以上投与された患者を対象とした。baselineのCCr<30は除外した。肥満(91kg以上)と非肥満(91kg未満)で比較した場合、肥…

バンコマイシンによる血小板減少の既往がある場合、再投与時は高度の血小板減少に注意する

【バンコマイシンによる血小板減少の既往がある場合、再投与時は高度の血小板減少に注意する】 内容:バンコマイシンの投与によって血小板減少の既往のある患者に対するバンコマイシンの再投与で、1日で血小板が3000 /µLまで低下、輸血を必要とする消化管出…

DRCでの黄熱病outbreak時の黄熱ワクチン(20% dose)の効果

【黄熱ワクチンの20% dose接種は効果が98%:コンゴ民主共和国でのoutbreak】 背景:2016年のDRCとアンゴラでの黄熱病のoutbreakによって、世界的な黄熱ワクチン不足が起こった。そのため、標準投与量の1/5(0.1ml)に減量した黄熱ワクチンを、DPCのキンシャ…

体格によってバンコマイシンの投与量を調整する必要がある

【日本人の肥満患者に対するバンコマイシンの1回投与量は、15mg/kgでは多い可能性がある】 方法:バンコマイシンの至適投与量と体格の関連を検討した観察研究。やせ型(BMI<18.5)、標準型、肥満型(BMI≧25)に分類して、バンコマイシンの至適投与量を後ろ…

透析クリニックにおける外来静注抗菌薬は、抗菌薬適正使用支援のよい対象である

【透析クリニックにおける外来静注抗菌薬は、抗菌薬適正使用支援のよい対象である】 米国フィラデルフィアの透析クリニックにおける外来点滴抗菌薬が適切であったかどうかを調査したところ、抗菌薬投与開始の57.5%が不適切であった(血液培養陰性、または、…

肥満患者におけるダプトマイシン投与量

【肥満患者におけるダプトマイシン投与量は、実体重が基本だが、「調整体重」を使用してもよいかもしれない】 背景:FDAの推奨しているダプトマイシンの投与量は、実体重を使用したものであるが、肥満患者におけるdataは限られている。調整体重(adjusted bo…

TAF/FTC+DTGの効果は、これまでの標準治療と同等だが、体重増加に注意が必要

【TAF/FTC+DTGの効果は、これまでの標準治療と同等だが、体重増加に注意が必要】 方法:南アフリカで行われた第3相open-labelの非劣勢RCT(ADVANCE trial)。初回治療としてのTAF/FTC+DTG vs TDF/FTC+DTG vs TDF/FTC+EFV(標準治療)。Primary endpointは、4…