COVID-19肺炎に対して、カレトラは効果なし(後ろ向き観察研究)
Efficacies of lopinavir/ritonavir and abidol in the treatment of novel coronavirus pneumonia
Chin J Infect Dis, 2020,38(00): E008-E008. DOI: 10.3760/cma.j.cn311365-20200210-00050
http://rs.yiigle.com/yufabiao/1182592.htm
※abstractのみ英語あり
※本文は中国語(google翻訳で英語/日本語にして読みました)
COVID-19(肺炎)に対するlopinavir/ritonavie(商品名:カレトラ)とarbidol(Umifenovir:中国で使用されている抗インフルエンザ薬)の効果を検討した後ろ向き研究。
方法:
上海のPublic Health Clinical Centerに2020.1.20-2.6に入院した262人のうち134名のCOVID-19肺炎の患者を後ろ向きに解析。対象患者は、新型コロナウイルスによる肺炎と確定診断され(気道検体のPCR検査陽性)、抗ウイルス作用がある可能性のある他の薬剤を使用していない患者。
全員が組換えヒトインターフェロンα-2bを投与された。52名がLPV/rtv(4錠分2を5日間)、34名がarbidol(1回200mg 1日3回 5日間)、48名は投与なし。7日目の治療効果を3群で比較した。Kruskal-Wallis or chi-square testsを使用。
結果:
134名、男性69名(51.5%)、年齢35-62歳(平均48歳)。3群の背景は同等(臨床症状、検査値、胸部CT画像)。90%以上が非重症(severeまたはcriticalは5例のみ)。
解熱までの中央値は、3群で差なし(入院後6日 vs 6日 vs 4日)。気道検体のPCR陰性確認までの中央値も、3群で差なし(すべて中央値入院後7日)。入院7日目のPCR陰性率は、71.8% vs 82.6% vs 77.1%(全員検査しているわけではない)で、差なし。入院7日時点での画像の悪化は、3群で同等(42.3%、35.3%、52.1%)。
気道検体でのPCR陽性率
副作用eventは有意差はないが、LPV/rtv群で多かった(17.3%、8.8%、8.3%)。LPV/rtv群では、吐き気・下痢などの消化器症状が多かった。
結論:COVID-19肺炎に対するLPV/rtvとarbidolの効果(症状改善、ウイルス排除)は認められなかった。