HIV:ドルテグラビル耐性ウイルスの恐怖
【HIV:ドルテグラビル耐性ウイルスの恐怖】
初発HIV/AIDSの患者(viral load高く、CD4リンパ球数は22)を、ツルバダとドルテグラビルで治療開始。同時に播種性結核をリファブチンを含めたレジメンで治療。最初の3週間の治療でviral loadは良好に低下したが、その後、アドヒアランス不良が原因と思われるviral loadの上昇があった(第3週くらいの薬剤の血中濃度が低い)。その後アドヒアランスは良好であったが、viral loadは500 copy/mlで下がりどまった。耐性検査を行ったところ、エムトリシダビン耐性(M184V)、ドルテグラビル耐性(G118R、R263K)が指摘された。治療開始前の検体で耐性検査を施行したところ、非常に低いレベル(0.2%未満)でドルテグラビル耐性遺伝子変異が見つかった。
治療したことがない患者においても、ドルテグラビル耐性の可能性はあり、ARTへの効果は不十分である場合に考慮する必要がある。
【参考】
https://www.hiv-resistance.jp/resistance04.htm
Failure of Dolutegravir First-Line ART with Selection of Virus Carrying R263K and G118R
N Engl J Med. 2019 Aug 29;381(9):887-889.
doi: 10.1056/NEJMc1806554
PMID: 31461601