General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

ASP(抗菌薬適正使用支援)

カルバペネム系抗菌薬の使用量と緑膿菌の耐性率には関連がある

カルバペネム系抗菌薬の使用量と緑膿菌の耐性率には関連がある。AUDやDOTが低いと耐性率は低くなる。適切な投与量で、必要なときだけ使用することが重要。日本からのdata。 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1341321X18302502?via%3D…

ICUでのカルバペネム系抗菌薬の処方が減ると、多剤耐性Acinetobacter感染症が減少する

ICUでカルバペネム系抗菌薬を制限して使用量を減らしたところ、多剤耐性アシネトバクターによる感染症が減少したことを示した後ろ向き研究。トルコから。 https://ann-clinmicrob.biomedcentral.com/articles/10.1186/1476-0711-13-7?fbclid=IwAR3zE9M9Vu8Xk…

formulary restrictionとpreauthorizationによって、ICUでのカルバペネム系抗菌薬の使用量が減少した

formulary restrictionと事前許可制(一定の条件を満たした場合のみカルバペネム系抗菌薬<メロペネム>が処方可能)によって、ICUにおけるカルバペネム系抗菌薬の使用量が減少したことを示した米国の観察研究。 この研究自体は、治療成績の変動や耐性菌の割…

感染症内科医の週1回の派遣でカルバペネム系抗菌薬の処方量が減少

週1回の感染症医の派遣によって、地域の病院のカルバペネム系抗菌薬処方量が減少し、血液培養採取や複数セット採取率の増加がみられた。患者予後はむしろ改善した。神戸大学と兵庫県立加古川医療センターでの観察研究。 この派遣されていた感染症内科医は、…

外来における不適切な抗菌薬処方とそれを減らす方策についてのレビュー

米国において、外来で処方される30-50%の抗菌薬は不適切な可能性がある。 医師が、不適切に抗菌薬を処方してしまうのは、知識の問題ではない(ほとんどの医師がウイルス感染症に抗菌薬が無効であることを知っている)。患者満足のため、「細菌感染症だったら…

カルバペネム系抗菌薬の使用量が増加すると、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌が増加する

カルバペネム系抗菌薬(ほとんどがメロペネム)の使用量(DOT:days of therapy)はカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(MIC≧2mg/L)と関連があることが、シカゴにある3次施設で行われた観察研究で示された。 2006年から2010年に調査。この期間、カルバペネム使…

薬剤感受性試験結果の報告方法を変えただけでは、広域スペクトラムの抗菌薬の使用は減らない

微生物検査結果を報告する際に、薬剤感受性試験結果を限定して報告(selective antibiotic susceptibility reporting intervention:より狭域スペクトラムなβラクタム薬の効果があるグラム陰性桿菌に対して、広域スペクトラムのβラクタム系抗菌薬の感受性を…