カルバペネム系抗菌薬の使用量が増加すると、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌が増加する
カルバペネム系抗菌薬(ほとんどがメロペネム)の使用量(DOT:days of therapy)はカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(MIC≧2mg/L)と関連があることが、シカゴにある3次施設で行われた観察研究で示された。
2006年から2010年に調査。この期間、カルバペネム使用量は増加、アズトレオナム・セフェピム・セフタジジム・モキシフロキサシン・ピペラシリン/タゾバクタムの使用量は減少した。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌の85%はK. pneumoniaeであった。
観察研究であり、カルバペネム使用量とカルバペネム耐性菌の因果関係は不明であるが、一般的な感覚からは受け入れやすい結果と思われる。米国の単一施設研究であることや、K. pneumoniaeがほとんどを占める(KPCと思われる)ことから、日本でこの結果を適応できるかどうか実際にはわからないが、過剰なカルバペネム系抗菌薬の使用を控える理由のひとつにはなると思われる。