General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

COVID-19(肺炎:21例)のCT画像の検討:継時的変化をみた報告

Time Course of Lung Changes On Chest CT During Recovery From 2019 Novel Coronavirus (COVID-19) Pneumonia

 

・Radiology. 2020 Feb 13:200370. doi: 10.1148/radiol.2020200370

2020.2.13にpublished online

 

・COVID-19(21例)のCT画像の検討、継時的変化をみたもの

・後ろ向き研究、PCRで確定した軽症肺炎のみを対象としている

 

・重症例は除外:人工呼吸器使用、room airでSpO2 90%未満、酸素投与、呼吸数>30

 

WBCはほぼ全例正常範囲内、CRPは0.31-8.86 mg/dL

 

・1回目のCTは発症から中央値2日目(0-9)に撮影された

・陰影がもっとも広範囲になったのは、発症から10日目

 

・stage 1(day 0-4):GGO 75%、下葉優位、胸膜下、片側or両側の陰影

 4/21=19%でCT画像は正常だった(その後のCTで全例陰影が出現した)

・stage 2(day 5-8):crazy-paving patternが53%でみられた、陰影の範囲が拡大

 ※GGO with superimposed inter- and intralobular septal thickening

・stage 3(day 9-13):consolidationが91%でみられた、陰影の範囲はpeakとなる

・stage 4(day 14以降):緩徐にconsolidationが改善、陰影の範囲も縮小する

 

・両側性陰影:stage 1:42%、stage 2:77%、stage 3:86%

 

f:id:General-ID:20200221230751p:plain

f:id:General-ID:20200221230839p:plain

 

・解釈:軽症COVID-19では、発症してから4日以内の場合19%でCTは正常、多くの場合は下葉胸膜下のスリガラス影(片側または両側性陰影)。5-8日目は、陰影の増大・両側性となりcrazy-paving patternが出現し、9-13日目にconsolidationが90%程度でみられ、10日目に陰影の範囲はpeakに達する。その後、改善傾向となる。