General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

COVID-19(肺炎)のCT画像所見:51例

Emerging Coronavirus 2019-nCoV Pneumonia

 

・Radiology. 2020 Feb 6:200274. doi: 10.1148/radiol.2020200274

2020.2.6にpublished online

 

・後ろ向き研究、51例のCOVID-19(肺炎)のCT画像所見を検討

・上海のチームによる研究、患者は上海?(Wuhanではない)

 

・発症からCT撮影までの期間:中央値4日(1-14日)

・正常WBC 73%、正常好中球 86%、リンパ球減少 65%、リンパ球正常 35%

 

・両側性 86%、posterior 80%、peripheral 86%、下葉病変 90%

・pure GGO 77%、GGO+reticular/interlobular septal thickening 75%、GGO+consolidation 59%。Consolidation 55%、胸水 8%、4-5肺葉 63%

 

・発症4日以内:GGO 79%、consolidation(GGO+consolidationも含む)21%

・発症5日以降:GGO 40%、consolidation 61%

 

・50歳以下:consolidation 23%、50歳を超える:45%

 ※発症日から撮影までの期間は不明

 

・13人でCTをf/uした(そのうち2例が提示されている)

図:初回CT撮影の発症からのタイミングは不明(a)、5日後のCT(b)

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図:初回CT撮影の発症からのタイミングは不明(a b)、3日後のCT(c d)

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・結論:発熱+咳+曝露歴+WBC正常+典型的CT画像(両側かつ末梢・後方優位の陰影)を呈する患者では、COVID-19を考慮すべきである。COVID-19のCT画像所見は、発症から4日以内・若年者ではスリガラス影を呈することが多く、発症5日以降や高齢者ではconsolidationを呈することが多い。