ceftarolineを長期使用する場合は、好中球減少に気をつける
ceftarolineの長期使用によってどの程度好中球減少が起こるか検討した観察研究。
7日以上のceftaroline(主に600mg 12時間おき)またはセフトリアキソン(CTRX、主に2g 24時間おき)を使用した感染症(血流感染症15%、骨・関節感染症64%、感染性心内膜炎9%、これら複数存在するのが12%)において、どの程度好中球減少症(定義:好中球<1500 /µL未満、1000-1500 mild、500-1000 moderate、500未満 severe)が起こるかを176名の患者で検討。
Ceftaroline ve CTRXで、18% vs 6%で、有意にceftaroline群で多かった。好中球減少症が見つかるまでの抗菌薬投与期間の中央値は22日。ほとんど(75%)の好中球減少症が軽症であった。投薬中止後7日程度で血球数は回復した。好中球減少症と関連した項目は、ceftarolineの使用、BMI 18.5~25であった。
解釈:日本では使用できない薬剤なので、教養として知っておく程度でよいと思う。後ろ向き研究であり、biasは多いが、ceftarolineを2-3週間以上長期間使用する場合は、好中球減少に注意したほうがよいと思われる。ただし、軽症の好中球減少症がほとんどであることから、臨床的なインパクトはあまりないかもしれない。また、常識的に、静注抗菌薬投与中は、週1回は血算を確認するため、大きな問題が生じる前に気づかれることがほとんどだろう。