General-IDのブログ

神戸で感染症内科医をやっています。日々勉強したことを共有しています。基本的に、感染症に関連した内容です。所属施設の公式見解ではありませんので、その点はご了承ください。

多剤耐性菌に対するミノサイクリン点滴静注について

重要な点


スペクトラム

グラム陽性球菌(GPC):

 MSSA・MRSA(主に皮膚軟部組織感染症と肺炎で、RFPと併用されることが多い)

 CNS

グラム陰性桿菌(GNR):

 Acinetobacter baumanii(VAP/HAP、血流感染、骨髄炎など)

   ただし、ほとんどの報告は、ABPC/SBT or コリスチンとの併用治療。

 腸内細菌科細菌全般:ESBL産生菌やKPC産生菌での使用報告は少ない

   単剤または他剤との併用治療での報告がある

 Stenotrophomonas altophilia

 B. cepacia


・効果が期待できない細菌

 Enterococcus spp.、緑膿菌


・薬物動態/薬力学(PK/PD):

 尿中排泄は5-12%。in vitroのdataでは、AUC/MICがparameterとされる

 しかし、最適なtarget値はわかっていない。


・臨床効果のdataは、case seriesと観察研究がほとんどである

・報告されている多くの症例は、肺炎、血流感染症、皮膚軟部組織感染症である。

 

https://academic.oup.com/ajhp/article/73/5/279/5101651?fbclid=IwAR0YPkR4fw31aG1kZ-j2nFrpEEBMtasVdKSQfaBWk94NfvzcbvyKOSQNUI0